毎日が、フィールドワーク
こんばんは。長島です!
里美に暮らすようになってから、
大学時代の友人や、会社員時代の友人、
そして里美に来てから知り合った様々な業種の友人、
それぞれのテーマで地域に関心を持っている人、
そして家族。
沢山の人が、里美を訪ねてくれるようになりました。
先日は地域でフィールドワークをしたいという大学生や、
取材を兼ねて里美を見に来てくれた友人、
そして働きながら大学院に通い、地域と海外をつなぐことを考えている、共通の知人の紹介で知り合った方が里美を訪れてくれました。
(梨園のおじちゃんおばちゃんと。沢山ご馳走様になりました!)
『フィールドワーク』というものを私も大学時代に必修として学びましたが、
その手法はとてもシンプルなものです。
まず、フィールドワークを行う目的(ねらい)としては、
『物事を多角的に捉えることができるようになること』だと思っています。
想定される課題に対して、ある程度の仮説を持った上で、フィールドに入ります。
現場を実際に自分の目で見て、耳で聴き、舌で味わい、匂いを嗅ぎ、手で触れて、物事を多角的に理解すること。
五感を開いてフィールドに入ることで、
第六感を鍛えることができます。
≪第六感とは、基本的に、五感以外のもので五感を超えるものを指しており、理屈では説明しがたい、鋭くものごとの本質をつかむ心の働きのことである。≫
そう、この物事の本質を掴むということは、
現場への理解を深め、実際にそこで起こっている現象や存在する課題に対して、
「自分はこの課題に対して、どう向き合うことができるか?」を考える一助となります。
(ハックルベリーのジャムを作っていた地域のおじちゃんと。
たまたま道中行き会ったら、今からジャム作るから取りにこー!(取りにおいで)と言ってくれたので
お邪魔させてもらっちゃいました。)
里美に来てみようかな、と思ってくれる方たちは、
社会に対して何かしらの課題意識を持っている方がほとんどで、
そこに対する自らの仮説を実証・検証するために実際に足を運んでくれています。
フィールド(現場)に対するアンテナを高く持ち、
実際に現場でいくつもの現実に直面した時、
自分の持っていた仮説が、一面的であったことに気づき、
物事(現象)の成り立ちや事情、現状が多角的・立体的に目の前に浮き上がってくるような感覚になります。
自分の持っていた仮説が全く真逆に覆されることも多々あります。
そこに、深く奥行きのある、本当の学びがあります。
この感覚を習得するために、フィールドに入るのだと思っています。
(地域の名物おかあさん「よしこさん」と)
だから私は、フィールド(現場)に居る一人として、
そういった方々を受け入れる場合は
なるべく里美の様々な側面を見ていただけるように、ご案内するように心がけています。
なるべく地域の人の声が直に聴けるように。
なるべく地域の味を味わってもらえるように。
美しい風景、そうでない風景をどちらも観てもらえるように。
肌で感じ、心で受け止め、頭で未来を想像する。
そのことが、里美を訪れた人の何かしらの一助となり、
そして彼ら彼女らに出逢った里美の人々の人生が豊かに色づいたり、
何かしらの新しい発見があったり、
お互いに、「出会えてよかった」と思えるような、そんな時間にしたいと思っています。
そして里美というフィールドで色々吸収し、感じ、考えた方々は、
里美で掴んだ様々な感覚や考えを自分のフィールドへ“種”として持ち帰り、
土に蒔いて、期が熟したらそれぞれのタイミングで多様な形で芽を出すのです。
それは、受け入れた私たちも、同じだと思います。
(またまた、名物よしこさんと。あっという間に農作業体験になっちゃうからすごい)
やっぱり、現場のことは、現場に入らないと、本当のところは分かりません。
食べないと、その味が分からないように。
嗅がないと、その匂いが分からないように。
自分で聴いてみて、初めてその歌が好きか、そうでないか、分かるように。
逆に、現場のことを、遠く離れた人にも近い感覚を持ってもらえるように伝えることがとっても難しくて、
そこが今の、そしてこれからの私の持つ課題の一つだったりもします。
(このブログも、その課題に対する一つの挑戦です・・・)
フィールドワークの醍醐味、
“深く、奥行きのある学び”を日々感じたいから、
私は今も里美に居るといっても過言ではありません。
里美に暮らし始めてからの4年半、
毎日が、一時一時がフィールドワークをしているという感覚です。
自分の持つ疑問や関心に対する仮説やイメージが覆されたり、
新たな一面を見つけたりすると、
物事に奥行きが出て、
さらに想像が膨らみます。
始めはぼんやりしていたカタチも色もはっきりしないようなことが、
日々のフィールドワークを追うごとにどんどん輪郭がはっきりしてきて、
そうすると、その物事に対して、
自分は次に何をすべきか、何ができるかが本当にちょっとずつですが、見えてきます。
この感覚が病みつきになるし、
とっても幸せ。
毎日が、フィールドワーク。
それが、里美での日々です。