醪の健康診断~香り~
晴れ
酒母が順調に育成しているか診断するには・・・
基本は、毎日同じ時間に品温・比重・酸度の測定し、経過を観察すること。
そして、味・香り・醗酵時の泡の弾ける音など五感を使う感応評価も大切な要素です。
仕込みから日数が経つにつれ、香りが変化してくる。
仕込み当初は、米そのものの香りが主で原料本来の香りのみ。
二日目頃から甘い香りが加わって来る。
暖気操作五日目頃に一時、硫化水素(卵の腐ったような)の香りがするがこれは一晩で消え、次の朝にはバナナや洋梨のような香りがしてくる。
大吟醸に使用する酵母は花のような香りがする。
思わず顔を近づけたくなるがあまりタンクに顔を持っていくと炭酸ガスの洗礼を浴び酸欠してしまうので用心。
ある日の親方と会話。
いつものように酒母タンクの前で香りチェック。
親方「おっ香りしでぎだな。」
やす坊「はい、いいみたいですね。」
〈チョッと間をおいて〉
親方「んー? べっこ変な香りがすんな。今までこんたな香りあったべか」
やす坊「・・・・すいません。おれ、Heしました。」
〈ホッとした顔で〉
「んだった。いい酒母できるぞ」
さすがベテラン杜氏。すかしっPeも見逃さない嗅覚!